93 特発性肺ヘモジデローシス
93 特発性肺ヘモジデローシス
JM Seely, EL Effmann, and NL Muller
High-resolution CT of pediatric lung disease: imaging findings
Am. J. Roentgenol., May 1997; 168: 1269 - 1275.
病因
1.肺内にヘモジデリンが異常に集積する疾患であるが病因や病態生理は明らかではない。小児に多いが成人で診断されることもある。性差はない。
2.腹部疾患との合併がみられ、腹部疾患の治療により肺ヘモジデローシスも改善することがある。
症状
1.鉄欠乏性貧血、慢性咳嗽、呼吸困難、顔色不良がしばしばみられる。
2.大量の喀血がみられることもあるが、肺内出血が十分に認められても喀血がまったくないこともある。
臨床所見
1.急性出血時には胸部レントゲンにて瀰漫性の浸潤影がみられ、2-3日後には網状影となり、10-14日でうすくなる。出血をくりかえす場合に は間質の線維化が生じる。
2.MRにて出血時には鉄の特性から特異的診断がえられる。
治療と予後
1.治療の有効性は症例が少ないことと、自然軽快する場合があることから明らかではない。ステロイドが多くの場合有効であるが、慢性的な使用は病 勢を変化させないかもしれない。
2.予後は診断後3年ともあるが、最近の報告ではもっとよい。